サステイナブル材料国際研究センターについて

持続性の高い社会により近づくため、サステイナブル材料国際研究センターは、材料の設計、生産、使用、そして寿命を終えた材料の処理など諸問題の解決を目指し2004年4月に設立された。持続可能社会における材料とは、低い環境負荷と合理的なコストで生産でき、十分な性能を発揮し、寿命を終えた後には経済的に処理が可能な材料である。本センターでは、低炭素社会確立のための材料や環境負荷低減プロセスの開発、資源問題・環境問題に対応するシステム構築に焦点を絞って、11名のコアメンバー(教授5名、客員教授5名、准教授1名)により、産業的に重要な材料とその副産物の物質循環についての検討、材料設計の境界条件の探査、材料生産とその処理プロセス、超長寿命材料、低環境負荷材料などの研究活動を行なっている。中でも、太陽光発電普及の鍵を握るシリコンなどの素材や、循環を促進すべきレアメタルなどの希少金属を重点材料と定め、それらの資源戦略構想や循環プロセスの確立を重要課題として掲げて多角的な研究を行っている。最近は、金属材料だけでなくポリマーなどの有機物を含め低環境負荷材料の開発も行っている。本センターでは、国内の大学との連携研究だけでなく、海外の研究機関との連携も推進している。海外の連携研究拠点として、トロント大学に生研北米拠点、昆明理工大学に生研分室などを設け、国外の連携研究者との学術交流、共同研究を世界的に展開している。また、米国などで定期的にワークショップを開催し国際的な研究活動やネットワークづくりも行っている。我々はこの与えられた機会を十分に生かし持続可能社会に貢献していきたい。
平成25年1月1日



センター長、岡部 徹